Linux?RTOS?組込み業界のOSとは!?
ソフトウエア
みなさんこんにちは!岩出です!
さて,LinuxとかRTOS(リアルタイムOS)って聞いたことありますか?私たちの業界でよく使われるOS(Operating System)です。WindowsもOSの仲間ですね!
お客様からたまに,「基板を開発せずに,ラズパイを使ったら安くなりますよね!?」みたいな話をいただきます(ラズパイは,LinuxをOSとした教育用の基板です)。でも,私たちは,「ラズパイ」を使うことはほとんどなく,Linuxはたまにしか使いません。圧倒的にRTOSが多いです。(もちろん,Linuxを使う案件もこの業界にはたくさんあります!後述しますね!)
さぁ,なぜ,ラズパイを使えば簡単にできるのに,組込み業界では何百万円もかけて,基板の開発してRTOSを実装して・・・大変な開発しているのか??その必要性について説明します!
目次
結論!最大の違いは,「リアルタイム性能」です!
私たちがRTOSを使う理由,それは,「リアルタイム性能」に優れているからです!
Linuxって,Windowsのようにパソコンで使うために作られたOSなんです。パソコンで重い処理をしていると,マウスが重くなったりしますよね!あれって,リアルタイム性が保証されていないってことなんです。。。
例えば,エンジンの回転を制御するコンピュータを想像してみてください・・・
『あ,ちょっと別の処理に忙しいから,エンジンの回転をいったん止めちゃお!』
とか,高速道路上で起こったら,めっちゃ怖いですよね!!!!!
そこで!リアルタイム性能に優れているRTOSを使うのです!!「1秒間に20回,必ずエンジンのガソリンに着火する処理を実行するぞ!」って設定したら,RTOSは必ず20回/秒 その処理を実行してくれます!
「1秒に20回だったら,WindowsとかLinuxでもやれるんじゃね!?」って思う方もいらっしゃると思いますが,EVのモーターだと,1秒間に2万回以上,適正な電流が流れるように演算したりしています!
LinuxとRTOSの出番を自動車部品で例に挙げよう!
じゃあ,Linuxって,何のために使われるの??って疑問があると思いますが,次の点で優れています。
・GUIを作るのに優れている!→人が画面を見て操作するような用途に向いています。
・高機能!→ネットワークにつなげるアプリを作れたり,ブラウザを利用できたり,パソコンレベルのアプリケーションを簡単に作れます!
自動車の中の部品で例えると・・・
OS | 用途 | なぜ使われるか? |
Linux | カーナビ | 画面上から人が操作するアプリを必要とするため! |
RTOS | EVモーターの制御 | 1秒間に2万回の制御を必ず実行しなければならないため! |
ということなんです!
他にもいろんな違いがあるのでまとめます!
リアルタイム性 | Linuxは一般的なOSで、リアルタイム性はある程度保証されていますが、RTOSはリアルタイム性が最重要視されています。RTOSでは、緊急のタスクが発生した場合、他のタスクを中断してでもそのタスクを優先して処理することができます。 |
スケジューリング | Linuxは、一般的なタスクスケジューリングアルゴリズムを採用していますが、RTOSでは、リアルタイムシステム向けのスケジューリングアルゴリズムが利用されています。これにより、高い精度でタスクの実行順序を制御できます。 |
フットプリント | Linuxは、機能が豊富であるため、メモリやストレージの容量が大きくなりがちです。一方、RTOSはシンプルで軽量な構造を持っており、リソースが限られた組込みシステムに適しています。 |
オープンソース | Linuxはオープンソースであり、コミュニティが活発です。多くのデバイスやアプリケーションに対応しやすいのが強みです。RTOSは、オープンソースと商用のものがあり、選択肢が豊富ですが、それぞれの製品によって機能やサポート体制が異なります。 |
カスタマイズ性 | Linuxはオープンソースであり、自由にカスタマイズが可能です。しかし、その反面、膨大な機能を持っているため、特定の組込みシステム向けに最適化するのは大変な作業になります。一方、RTOSはシンプルな構造のため、組込みシステムに特化したカスタマイズが容易です。 |
セキュリティ | Linuxは、セキュリティが継続的にアップデートされるため、比較的安全なOSと言われています。RTOSのセキュリティは、製品によって異なりますが、シンプルな構造のため、セキュリティ対策を実装しやすい製品もあります。 |
まとめ!
組込み業界において、Linuxはオープンソースで機能が豊富な一般的なOSとして、幅広い用途で利用されています。一方、RTOSはリアルタイム性を重視し、高速な応答性やタスクの厳密なスケジューリングが求められる組込みシステムに適しています。
どちらのOSを選択するかは、プロジェクトの要件や開発環境によって異なります。リアルタイム性やリソース制約が厳しい場合はRTOSが適しているでしょう。一方、機能の豊富さやオープンソースの恩恵を受けたい場合はLinuxが良い選択です。どちらも素晴らしいOSなので、プロジェクトに合ったOSを選んぶことが重要です!
RTOSを使った電子基板開発は,株式会社アイザシステムズにおまかせ!
※Linuxのかわいいマスコットキャラクター(ペンギン)は,「Tux」といいます。著作権は解放されていますので,ご安心ください。
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